1. 等分布荷重qとは
等分布荷重は、部材の長さ1 mmあたりに同じ大きさで作用する荷重です。単位はN/mmです。サンプルではq=0.1 N/mmを、長さ1000 mmの全体へ加えます。
全体の力へ直すには、1 mmあたりの力qに長さLを掛けます。この合力は、荷重が均等なら部材の中央に作用すると考えられます。
確認問題q=0.2 N/mmを長さ1500 mmへ加えたとき、合力は何Nですか?
0.2 × 1500 = 300 Nです。mmが約分されてNになります。
2. モデル条件を確認する
梁、材料、断面、支点は先端集中荷重の例と同じです。違うのは、N2の節点荷重を使わず、E1という部材にqz=0.1 N/mmを設定することです。
- N1 = (0, 0) mm、N2 = (1000, 0) mm
- N1を固定支点にする
- E1は一般鋼材E=200000 MPa、円形φ20 mm
- E1のqz = 0.1 N/mm
- 節点荷重Fzと節点モーメントは0
3. 反力と固定端モーメントを求める
合力は100 Nなので、固定端反力の大きさも100 Nです。合力の作用位置は固定端からL/2=500 mmです。したがって固定端モーメントは、合力×距離で求められます。
4. 先端変位を計算する
等分布荷重を受ける片持ち梁の先端変位はqL⁴/(8EI)です。集中荷重の式ではL³でしたが、今回はL⁴です。長さの影響がさらに大きくなります。
確認問題長さを2倍にし、q・E・Iを同じにすると、変位は何倍ですか?
2⁴ = 16倍です。等分布荷重による先端変位はLの4乗に比例します。
5. 同じ100 Nでも集中荷重とは違う
この例の合力は100 Nで、先端集中荷重の例と同じです。それでも先端変位は約7.96 mmで、集中荷重の約21.22 mmより小さくなります。
理由は、等分布荷重の多くが固定端に近い場所へ作用するからです。固定端に近い力は、先端の力より小さなてこの腕しか持ちません。固定端モーメントも50000 N·mmで、集中荷重の100000 N·mmの半分です。
- 先端集中荷重100 N:w ≈ 21.22 mm、|M| = 100000 N·mm
- 等分布荷重の合力100 N:w ≈ 7.96 mm、|M| = 50000 N·mm
- 合計の力が同じでも、作用する位置の分布によって結果は変わる
6. 計算機で確認するときの順序
「サンプル:片持ち梁+等分布荷重」を開き、まずqzの単位と値を確認します。複数要素へ分割したモデルでは、荷重の重複や入力漏れにも注意します。
- E1のqzが0.1 N/mmであることを確認する
- N2に集中荷重が入っていないことを確認する
- 解析後、N2のwが約7.96 mmか確認する
- N1反力の大きさが100 Nか確認する
- 固定端曲げモーメントの大きさが50000 N·mmか確認する
- 長さを変えて、L⁴の影響を観察する
今日のまとめ
- 等分布荷重qの単位はN/mm、合力はqL
- 均等な荷重の合力は部材中央に作用すると考えられる
- サンプルの合力は100 N、固定端モーメントは50000 N·mm
- 先端変位は約7.96 mmで、長さLの4乗に比例する
- 合力が同じでも、荷重の分布が違えば変位とモーメントは変わる
ここまで説明できれば十分です。次は計算画面で条件を1つだけ変え、結果を予想してから確かめてみましょう。
「サンプル:片持ち梁+等分布荷重」を選ぶと、この内容をすぐに試せます。
