1. まず「面外」の意味をつかもう
フレームは、節点を線でつないだ骨組みです。このサイトでは、骨組みそのものはX・Yの平面上に描きます。紙の上に線を描く場面を想像するとよいでしょう。
ところが、荷重はその紙に垂直なZ方向へ加わります。紙を机に置いたなら、紙から上へ離れる向き、または紙の中へ押し込む向きです。平面の外へ変形するので「面外」と呼びます。
確認問題XY平面をノートの紙面だと考えたとき、Z方向はどちらですか?
紙面に対して垂直な方向です。紙面から手前へ出る向きが+Z、反対側が−Zです。
2. 節点には3つの動きがある
節点とは、部材どうしがつながる点です。面外フレーム解析では、1つの節点ができる動きを3種類に分けます。この「独立して動ける種類」を自由度といいます。
1つ目はZ方向へ移動するwです。残り2つは回転で、X軸のまわりに回るθxと、Y軸のまわりに回るθyです。回転の単位はrad(ラジアン)を使います。
- w:節点が画面の手前・奥へ動く量[mm]
- θx:節点がX軸のまわりに回る角度[rad]
- θy:節点がY軸のまわりに回る角度[rad]
3. 曲げとねじりはどう違うのか
部材を横から押して弓なりに変形させる働きが曲げです。一方、部材の中心線を軸として雑巾を絞るように回す働きがねじりです。
直線の片持ち梁なら、先端のZ方向荷重は主に曲げを生みます。しかしL字形のフレームでは、角を曲がって力が伝わるため、同じ荷重が一方の部材では曲げ、もう一方ではねじりになります。面外フレーム解析の大切な点は、この2つを同時に扱うことです。
- 曲げに対する硬さは、材料のEと断面のIで決まる
- ねじりに対する硬さは、材料のGと断面のJで決まる
- 同じ荷重でも、部材の向きが変わると曲げとねじりの割合が変わる
確認問題まっすぐな棒の中心軸を中心に、両端を反対向きへ回す変形は曲げですか、ねじりですか?
ねじりです。中心線が弓なりになるのではなく、中心軸のまわりに断面が回転します。
4. K u = F は何を表しているのか
計算の中心になる式がK u = Fです。Kはフレーム全体の硬さを集めたもの、uは求めたい変位と回転、Fは加えた力とモーメントです。
ばねなら「力 = ばねの硬さ × 伸び」と習います。K u = Fも同じ考え方です。ただしフレームには節点と自由度がたくさんあるので、数字を表の形に並べた行列を使います。
各部材の曲げ剛性とねじり剛性を、部材の向きに合わせてX・Y・Z座標へ変換し、同じ節点に集めます。そのあと、支点で動けない自由度を除いて連立方程式を解きます。
- 節点、部材、材料、断面、支点、荷重を入力する
- 各部材の曲げ・ねじりの硬さを計算する
- 全部材の硬さをフレーム全体へ組み立てる
- 支点条件を反映して、未知の変位uを求める
- 求めた変位から反力、モーメント、応力を逆算する
確認問題同じ荷重Fでフレームの硬さKを2倍にすると、変形uはおよそどうなりますか?
線形弾性の範囲では約1/2になります。u = K⁻¹Fなので、硬くするほど変形は小さくなります。
5. 計算結果が使える範囲を知ろう
計算機が数字を表示しても、どんな状況にも使えるわけではありません。この解析は、変形が小さく、材料が元に戻る範囲で使うことを前提にしています。
高校の物理で公式を使うときにも「空気抵抗を無視する」などの条件があります。同じように、構造計算でも仮定を確認してから結果を読みます。
- 材料は力と変形が比例する線形弾性とする
- 変形は部材長さに比べて十分小さいとする
- 曲げのせん断変形は無視する
- 単純なねじりを扱い、そりねじりは扱わない
- 面内軸力、塑性、大変形、座屈、完全な3次元挙動は扱わない
今日のまとめ
- 面外とは、フレームを描いたXY平面に垂直なZ方向のこと
- 各節点にはw・θx・θyの3自由度がある
- フレームの形によって、Z方向荷重が曲げとねじりに分かれる
- K u = Fは、フレームの硬さ・変形・外力の関係を表す
- 結果は仮定と警告を確認し、つり合いや理論式と照合して使う
ここまで説明できれば十分です。次は計算画面で条件を1つだけ変え、結果を予想してから確かめてみましょう。
「サンプル:片持ち梁+先端荷重」を選ぶと、この内容をすぐに試せます。
