1. 材料の硬さと形の強さを分ける

ヤング係数Eは、材料が引張りや圧縮に対してどれだけ変形しにくいかを表します。せん断弾性係数Gは、材料がずれる変形に対してどれだけ硬いかを表します。どちらも材料そのものの性質です。

断面二次モーメントIは曲げに対する形の有利さ、ねじり定数Jはねじりに対する形の有利さを表します。こちらは部材の断面形状と寸法で決まります。

曲げ剛性 = E I / ねじり剛性 = G J
確認問題材料を変えず、断面を工夫して曲げにくくしたいとき、大きくすべき値はEですか、Iですか?
答え

Iです。Eは材料の性質、Iは断面形状の性質です。

2. EとGが大きいとどうなるか

Eが大きい材料ほど、同じ形・同じ荷重で曲げ変形が小さくなります。Gが大きい材料ほど、同じ形・同じねじりモーメントでねじれ角が小さくなります。

一般鋼材のサンプルではE=200000 MPa、G=76923 MPaです。MPaはN/mm²と同じなので、N・mm単位系の式へそのまま使えます。

3. Iは材料を中心から離すほど大きくなる

断面二次モーメントIは、断面の面積が曲げの中心からどれだけ離れているかを表す量です。同じ面積でも、材料を中心から遠くへ配置するとIが大きくなります。

矩形断面は向きが重要です。幅B、高さHの矩形を高さ方向へ曲げる場合、IにはHの3乗が入ります。そのため、断面を90°回すだけで曲がりやすさが大きく変わります。

矩形の Ix = B H³ / 12 / Iy = H B³ / 12
確認問題同じ矩形断面で高さHを2倍にし、幅Bを変えないとき、Ixは何倍になりますか?
答え

2³ = 8倍です。Ixの式にH³が含まれるためです。

4. 円・中空円・矩形・中空矩形を読む

円断面はどの方向へ曲げてもIが同じで、学習用の比較に向いています。中空円は中心付近の材料を減らしながら、外側の材料を残してIとJを確保します。

矩形と中空矩形は曲げ方向でIが変わります。任意断面では、別資料や断面計算から得たA・I・J・Z・Wtを直接入力します。

  • 円:A = πD²/4、I = πD⁴/64、J = πD⁴/32
  • 中空円:外径の値から内径の値を差し引く
  • 矩形:曲げる向きに合わせてIxまたはIyを使う
  • 中空矩形:外側矩形から内側の空洞を差し引く
  • 任意断面:出典と単位を確認した断面性能を入力する

5. 変形の計算と応力の計算は別

IとJは主に変形の計算へ使います。一方、曲げ応力には断面係数Z、ねじりせん断応力にはねじり断面係数Wtを使います。

曲げモーメントMが大きいほど曲げ応力σは大きく、Zが大きいほど小さくなります。ねじりモーメントTとねじり応力τも同じ関係です。

曲げ応力 σ = M / Z / ねじりせん断応力 τ = T / Wt
確認問題同じMでZを2倍にすると、曲げ応力σはどうなりますか?
答え

1/2になります。σ = M/Zなので、断面係数が大きいほど最大曲げ応力は小さくなります。

6. 相当応力と安全率を正しく読む

曲げ応力σとねじりせん断応力τが同時に生じるとき、延性材料ではvon Mises相当応力という1つの値にまとめて評価できます。

円・中空円では同じ外周点の応力として組み合わせやすい一方、矩形などでは最大曲げ応力と最大ねじり応力が別の位置に出ることがあります。その場合、このサイトは両方の最大値を組み合わせた「保守的相当応力」と表示します。

相当応力 σeq = √(σ² + 3τ²) / 安全率 = 許容応力 ÷ 相当応力
  • 安全率1.0以上:入力した許容応力以下
  • 安全率1.0未満:入力した許容応力を超えている
  • stressOnly材料:応力だけを表示し、OK・NGを自動判定しない
LESSON SUMMARY

今日のまとめ

  • E・Gは材料の硬さ、I・Jは断面形状による変形しにくさ
  • 曲げ剛性はEI、ねじり剛性はGJ
  • 矩形断面は向きによってIが大きく変わる
  • 曲げ応力はM/Z、ねじり応力はT/Wtで求める
  • 相当応力と安全率は、材料の評価方法と適用条件を確認して読む

ここまで説明できれば十分です。次は計算画面で条件を1つだけ変え、結果を予想してから確かめてみましょう。

計算画面のサンプル

「サンプル:保守的相当応力」を選ぶと、この内容をすぐに試せます。

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