1. L字のモデルを2本の部材に分ける

サンプルは、X方向へ800 mm伸びるE1と、そこからY方向へ600 mm伸びるE2を直角につないだ形です。N1を固定し、自由端N3へ+Z方向に50 Nを加えます。

断面は円形φ20 mm、材料は一般鋼材です。円断面はどの方向へ曲げてもIが同じなので、曲げとねじりの違いに集中できます。

  • N1 = (0, 0) mm、N2 = (800, 0) mm、N3 = (800, 600) mm
  • E1 = N1–N2、長さa = 800 mm
  • E2 = N2–N3、長さb = 600 mm
  • 全端部を剛接、N1を固定
  • N3へFz = 50 N

2. まずE2では曲げが起こる

E2はY方向へ伸びています。N3のZ方向荷重はE2の軸に対して横向きなので、E2を弓なりに曲げます。N2からN3までの距離は600 mmです。

E2の根元N2へ伝わる曲げモーメントの大きさはP×bです。50 N×600 mmなので30000 N·mmになります。

E2の曲げモーメント |M| = P b = 50 × 600 = 30000 N·mm
確認問題E2の長さbだけを2倍にすると、N2へ伝わるモーメントP bは何倍ですか?
答え

2倍です。荷重Pが同じなら、モーメントは距離bに比例します。

3. 角を曲がるとE1のねじりになる

E2からN2へ伝わった30000 N·mmのモーメントは、X軸まわりです。E1自身もX方向へ伸びているため、このモーメントはE1の中心軸まわりのねじりになります。

同時に、N2へ伝わる50 NのZ方向せん断力はE1を曲げます。つまり固定端側のE1には、曲げとねじりが同時に生じます。

  • N3の50 N → E2の曲げ
  • E2端の30000 N·mm → E1のねじり
  • N2へ伝わる50 N → E1の曲げ
  • N1は、Z反力・曲げ反力モーメント・ねじり反力モーメントで支える

4. 自由端変位を3つの成分に分ける

N3のZ方向変位は、主に3つの成分を足したものとして理解できます。E1自身の曲げ、E2自身の曲げ、E1のねじれによってE2が腕のように動く成分です。

E1の長さをa、E2の長さをbとすると、この単純な剛接・円断面モデルの変位は次の式で照合できます。

w = P a³/(3EI) + P b³/(3EI) + P a b²/(GJ)
  • 第1項:E1の曲げによるN2とN3の移動
  • 第2項:E2自身が曲がることによるN3の移動
  • 第3項:E1がねじれ、長さbのE2が回ることによるN3の移動

5. サンプルの変位を数値で見積もる

サンプルではP=50 N、a=800 mm、b=600 mm、E=200000 MPa、G=76923 MPaです。φ20 mmの円断面なので、I≈7854 mm⁴、J≈15708 mm⁴を使います。

確認問題このサンプルでJだけを2倍にしたら、3つのうちどの変位成分が小さくなりますか?
答え

E1ねじりの成分だけが約1/2になります。曲げ成分はEIで決まり、Jを変えても直接は変わりません。

6. 結果画面では力の道筋を追う

全体の最大値だけを見ると、なぜその値になったか分かりません。N3からN2、E2からE1、最後にN1という順で、力の伝達を追います。

  1. N3のwが約19.64 mmか確認する
  2. N1のFz反力の大きさが50 Nか確認する
  3. E2の曲げモーメントがN2側で大きくなることを見る
  4. E1の曲げモーメントと、約30000 N·mmのねじりモーメントを見る
  5. E1の曲げ応力・ねじり応力・相当応力を確認する
  6. 平衡残差と条件数の警告を確認する

7. 発展実験は1条件ずつ変える

元モデルを複製し、変更前の結果を残して比較します。複数条件を同時に変えると、どの変更が結果に効いたのか分からなくなります。

  • GまたはJを大きくして、ねじり成分だけが減るかを見る
  • EまたはIを大きくして、曲げ成分が減るかを見る
  • E2の長さbを変え、ねじり成分にb²が効くことを見る
  • N2を半剛接にし、伝達モーメントと変位の変化を見る
  • 円断面を矩形に変え、断面方向の影響を見る
LESSON SUMMARY

今日のまとめ

  • L字フレームでは、自由端荷重が角を通って曲げとねじりに分かれる
  • E2の曲げモーメント30000 N·mmが、E1ではねじりモーメントになる
  • N3変位はE1曲げ・E2曲げ・E1ねじりの3成分に分けて考えられる
  • サンプルの理論変位は約19.64 mmで、ねじり成分が最も大きい
  • 結果はN3からN2、E2からE1、最後にN1の順で力の道筋を追う

ここまで説明できれば十分です。次は計算画面で条件を1つだけ変え、結果を予想してから確かめてみましょう。

計算画面のサンプル

「サンプル:L字フレーム」を選ぶと、この内容をすぐに試せます。

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